スケジュールやタスクって何のため?仕事の成功確率を高める進捗管理方法

公開日 : 最終更新日 :

  • ディレクション

「みなさん、タスク管理してますか?」

どうも、アンドエイチエーでWebディレクターをしている田中です。

私は普段、チームのタスク管理をしたり、いろいろなタスク管理ツールの導入を模索していますが、スケジュール通りにプロジェクトを回せなかったり、結局何でタスク管理してるんだっけ?と本来の目的を忘れることもしばしば。。。

本記事では、そもそもなぜスケジュールの作成やタスク管理が必要なのかを洗い出し、であればどんなことに注意して管理・作成するのが良いのかを考察していきます。

Web制作を例としていますが、本記事の内容を元にタスク管理やスケジュールを作成することで、プロジェクトの成功確率を高めたり、クライアントやチームからの信頼を獲得することができるかも?しれません。

なお、「リスト形式」を多様しておりますので、チェックリスト的にも利用できると思います。ぜひ!

タスクを管理”しない”場合を想定してみる

まず、あるプロジェクトにおいて、タスク管理ツールなどでの「タスク管理を”しない”場合」を想定してみます。

以下のような「問題」や「不満」の発生が考えられます。

  1. 透明性の不足
    誰が何をしているのかが不明瞭になり、各メンバーのタスクや進捗状況、それぞれの負担や負荷具合が把握しにくくなります。これにより、プロジェクトの全体像が見えづらく、タスクの重複や適切な優先順位付けが難しくなります。
  2. コミュニケーションの不足
    制作メンバー間での共同作業が制限され、コミュニケーションの不足から誤解や不確実性が生じる可能性が高まります。また、タスク間の依存関係や不足の事態についての情報共有が滞ることがあります。
  3. スケジュールの見積もりの難しさ
    ひとつのタスクにかかる時間などの見積もりが難しくなり、プロジェクトのスケジュールが不正確になりやすく、期限に対するコミットメント(責任や約束)が難しくなります。これにより、プロジェクトの遅延やクライアントとの信頼性の低下が生じる可能性があります。
  4. タスクの重複とリソースの浪費
    誰がどこをやるかなどが不透明のため、タスクが重複して割り当てられたり、必要以上にリソースが割り当てられたりする可能性が高まります。これにより、無駄な時間や費用が発生し、プロジェクトの効率性が低下します。
  5. トラブルシューティングの難しさ
    何か問題が発生した際、原因の特定やどう対策すればいいかの解決策を見つけることが遅れるなど、もしものトラブルシューティングが難しくなる可能性があります。
  6. スケジュール遅延と品質低下
    タスクの管理が不十分なため、スケジュールが遅れることが予想され、制作物の品質の低下や急いで作業をすることによるミスが発生する可能性が高まります。
  7. 不満増加とモチベーション低下
    制作チームメンバーがタスクの不透明な状況に不満を抱き、プロジェクトへのモチベーションが低下する可能性があります。特に、負荷が不均等に分配されていたり、タスクに対しての適切な報酬がない場合に、これらの問題が起きやすいです。

いかがでしょうか。あえて「タスク管理ツールを使用”しない”場合」を想定してみましたが、なかなかにまずい状況になりそうなのは想像できます。

すでにタスク管理をしている方にとっても、上記の内容において「不適切な管理」があった場合、何かしらの問題が起こってくるはずです。

タスク管理をしないことによるメリット

タスク管理はしておいた方が良いに越したことは無いと思いますが、ガチガチにタスク管理されたら嫌だという声も聞こえてきそうですね。そこで次は、「タスク管理をしないことによるメリット」も考えてみます。

  1. 柔軟性の向上
    タスク管理の手法やツールを使用せずに、プロジェクトメンバーによる柔軟なアプローチを許容することで、アイディアの自由な交換やクリエイティブなアプローチの可能性が高まります。特にアジャイルなプロジェクトでは、タスク管理を最小限に留めることで、柔軟性を保つことが重要とされます。
  2. 小規模プロジェクトへの適応性
    小規模だったり単純なプロジェクトの場合は、簡易なタスク管理でも十分にプロジェクトを遂行することができます。むしろ、タスク管理ツールを導入するコストであったり時間がかかりすぎる可能性もあります。
  3. 個人のスタイルに合わせた作業が可能
    タスク管理ツールを使用しない場合、各個人が自分の作業スタイルやツールを選択できるため、個々の生産性を向上させることができるかもしれません。ただし、チーム協力や進捗の透明性には注意が必要ですね。
  4. スピードと敏捷性
    タスク管理の手法が過度に煩雑になることなく、プロジェクトを迅速に進行させることができるかもしれません。ただしこれは、タスクの複雑さやチームの協力度などにも依存するでしょう。

以上いかがでしょうか。

ざっと挙げてみると、小規模な制作だったり、ちょっとした修正対応であれば、無理にタスク管理をしないほうがいい場面もありそうです。

とは言いつつも、大規模なプロジェクトやチームでタスク管理が不足すると、誤解、混乱、遅延、品質低下などの問題が生じやすくなるでしょうし、さきほどのメリットがデメリットとなっていくはずです。

プロジェクトの規模、要求事項、リスクなどに応じて、タスク管理の度合いを調整することが大切だと思いますが、結論やはり、会社全体としてみた場合や大規模なプロジェクトの場合は、タスク管理が重要であることにはみなさん賛同してくれるはずです。

スケジュール作成・タスク管理で重視する点は?

では、いざスケジュールを作成するとなった場合、タスクそれぞれの内容や重さを元にスケジュールに組み込んでいく必要があります。この際に留意すべき事としては、以下が考えられます。

  1. プロジェクトの目的と優先順位の明確化
    まずは、プロジェクトの目標と重要な要求事項を明確にし、その優先順位を設定します。何がプロジェクトにとっての成功かを理解した上で、それに従ってスケジュールを作成していきます。
  2. タスクのリストアップ
    プロジェクトに必要な全てのタスクを抜け漏れが無いようにリストアップします。それぞれのタスクを細分化し、できるだけ具体的にしておいたほうが良いでしょう。このステップによって、見積もりやスケジュールの基盤となっていきます。
  3. 各タスクの重さの見積もり
    各タスクの「所要時間」を適切に見積もります。経験則、過去のプロジェクトデータ、チームメンバーのフィードバックを活用することで、よりリアルな見積もりを行えるでしょう。なお、楽観的、現実的、悲観的の3つのシナリオも考えておくことで、リスクヘッジにも役立つはずです。
  4. 各タスクの依存関係の把握
    各タスク間の「依存関係」を把握します。例えば、トップページのデザインができたら下層ページに進むといったように、あるタスクが別のタスクに依存している場合はそれらの関係性を把握しておくことが大切です。
  5. リソースの割り当て
    チームメンバーのスキル、経験、可用性を考慮して、タスクにリソースを割り当て(アサイン)ます。適切なバランスを取り、過度な負荷をかけないようにするのが望ましいです。
  6. マイルストーン(中継地点)の設定
    スケジュール内に重要なマイルストーンを設定します。Web制作の場合ですと、例えば「デザインの完成日」や「テストアップ日」などが一般的かと思います。これにより、チーム全体が最低でもこの日までにはという認識共有や、もしスケジュールが遅延した場合のリカバリーの起点日にもなります。
  7. リスクの評価と対策
    リスクとなりえそうな要因を特定しておきます。あわせて、そのリスクが発生した場合のスケジュールへの影響が少なくなるような対応策も準備しておきましょう。
  8. コミュニケーションと透明性
    スケジュールは全ての関係者が見れるひとつの場所で、かつ分かりやすくしておくのが望ましいでしょう。このスケジュールをもとに進捗状況を定期的に報告・確認することで、全体のコミュニケーションの活性化も期待できます。
  9. 柔軟性の確保
    スケジュールが早まったり遅れが生じることはどんなプロジェクトでもつきものです。スケジュールに柔軟性を組み込み、何かしらの変更や予期せぬ問題にも対応できるようにします。余裕を持たせることで、プロジェクト全体の安定性が向上することでしょう。

以上の要点を考慮してスケジュールを作成することで、プロジェクトを効率的に管理し、スムーズに進行させることができるはずです。ぜひ、注意してみてください。

誰とスケジュールを作るかによって変わってくる

ここまでスケジュール作成やタスク管理で大切にする事を主に伝えてきましたが、Web制作においても、もちろんその他の仕事においても「知らないタスクは正確に見積れないので、スケジュールが曖昧」になることが多くあると思います。

であれば、「実際に作業する人に聞く」のが手っ取り早い気がしますが、そうも簡単にいかない場面もありますよね。。。

例えばWeb制作におけるスケジュール作成の場合、Webディレクターだけでスケジュールを決定する場合と、Webデザイナーやエンジニア・コーダーも参加して決定する場合がよくあると思います。それぞれのメリットとデメリットを挙げてみます。

ディレクターだけでスケジュールを決定する場合

メリット

  • 迅速な決定
    他のメンバーとの調整をほぼしないため、ディレクターが単独でスケジュールを立てることで迅速に決定が行える可能性があります。
  • ビジョンの統一
    ディレクターがプロジェクト全体のビジョンやゴールを把握しているため、スケジュールがビジョンに合致している可能性が高いです。

デメリット

  • タスクの理解不足
    ディレクターがデザイン制作の現場を知らなかったり、コーディング技術を理解していない場合、タスクの見積もりが過大または過小になる可能性があります。
  • チームの関与不足
    チームメンバーがスケジュール立案に関与しないため、プロジェクト全体に対するコミットメント(責任感や熱意)が低くなる可能性があります。

デザイナーやエンジニアも参加してスケジュールを決定する場合

メリット

  • リアルな見積もりが可能
    デザイナーやコーダーが直接関わるタスクについて、実際の経験と知識をもとに見積もりが行えるため、よりリアルなスケジュールが立てられます。
  • チームのコミットメント
    チームメンバーがスケジュール作成に参加することで、プロジェクトに対する責任感が高まり、プロジェクト成功への意欲が高まる可能性があります。

デメリット

  • 調整に時間がかかる
    デザイナーやコーダーなど複数の人々のスケジュールを調整するため、決定までに時間がかかる場合があります。
  • 意見の食い違い
    チームメンバー間で意見の食い違いが生じる可能性があり、スケジュールの合意形成が難しい場合があります。

どちらのアプローチもメリットとデメリットが考えられますね。

最適なアプローチとなると、プロジェクトの性質やチームの動き、メンバーの信頼関係などによって異なるかもしれません。ただやはり重要なのは、スケジュールを立てる際の「全体の透明性」であったり、チーム全体の「協力体制」があるかどうかになってくるのではないでしょうか。

上記のようなことを踏まえて、「誰とスケジュールを作るか」も考えてみてはいかがでしょうか。「ツールなどは駆使してつのに、管理がうまくいってない」の解決の糸口が見えてくるかもしれません。

適切な管理によって、プロジェクトの成功率アップや信頼獲得に繋がる

「タスク管理ツールを使用”しない”場合」の想定や「タスク管理をしないことによるメリット」として、あえてタスク管理がされてない状況を洗い出しつつ、それらを踏まえて、スケジュール作成・タスク管理で重視する点などを挙げてみました。

これらを理解し、うまくタスクやスケジュールとして落とし込むことで、プロジェクトの成功確率を高めたり、クライアントやチームからの信頼を獲得する可能性が高まるはずです。

もし、タスク管理ツールの導入を検討している方や、タスク管理がうまくいっていないと感じている方がいたら、上記を踏まえて選定・調整してみてはいかがでしょうか。

合わせて読みたい!