【企画書作成】ちゃんと伝わる!!企画書の作り方-part.1:論理的に作る

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皆さんが作る企画書。それ、本当に 「伝わる企画書」 になっていますか?

企画書は、案件を受注する際のまず最初の入り口です。この入り口が伝わらない入り口であった場合、その会社のドアを開けて社内に入りたいと思うでしょうか。。。

この記事では2回に渡って企画書の考え方や作り方を説明します。※「企画書作りのフレームワーク」 についてはpart.2にて説明します。

目的を明確にする

まず企画書を作る上で一番重要なのが、「その企画の目的を明確にする」ということです。「明確に」 とは具体的にどういうことかと言うと、

  • 「現状の課題を整理」
  • 「その課題を解決することを最大目的として策定」
  • 「最大目的が達成されたかを測る指標を設定」

することです。そしてその指標を達成する 「施策」 を提案するのが企画書となります。

上記で上げた3つのポイントそれぞれが設定されていないと、企画書を見る側からすると納得感の薄い材料となります。 例えば、ラフデザインや金額面などです。一つ一つ掘り下げて見ていきましょう。

現状の課題を整理

おそらく企画書を提案する前に、クライアントが感じている課題が事前に共有されているかと思います。例えば、 「サイトでの購買率が低い」 などの数値的なものだったり、 「サイトデザインが古い」 などの感覚的な問題かもしれません。まずはこのような、クライアントが感じている課題 (顕在的課題)をヒアリングしましょう。

それらを基にGoogle analyticsなどの数値と参照していき、顕在的課題を更に掘り下げ 「潜在的課題」 を見つけることができます。例えば、顕在的課題として 「サイトでの購買率が低い (CVRが低い) 」 があった場合、Google analyticsを参照し更に深堀りすることで 「カートからチェックアウト画面への遷移率が低い、カゴ落ち率が高い」 などの潜在的課題を見つけることが出来ます。

POINT

可能な限りGoogle analytics上の数値を共有 (管理権限を 「表示と分析」 などで追加してもらう) してもらいましょう。
何故アナリティクスデータが必要かと言うと、数値で語らない以上、感覚的な話の域を出ず、結果が曖昧なものになってしまうためです。

課題を整理するコツは、顕在的な課題を因数分解していき、潜在的課題を見つけることです。

課題を因数分解する

企画書を作成する上で、「何を課題として定めるか」は企画書自体の方向性 (伝えたいことや提案したいこと) を決定づける重要な因子なので、丁寧に行いましょう。

イシューツリーを使って整理

課題を洗い出す方法として是非活用して貰いたいのが、「イシューツリー」と呼ばれるフレームワークです。「イシューツリー」とは、頂点に最重要課題を置き、下層に行くにつれてツリー状に課題を分類していく方法です。

この 「ツリー状」 というのが大事で、ロジカルシンキングの分野では 「ロジックツリー」 と呼ばれています。ツリー状にすることで最重要課題をより詳細な細かい課題に分けていく(so what/how/why?を繰り返し分解していく)事ができ、ボトルネックとなっている課題へ辿り着けます。

イシューツリーを作成する上で一番気をつける部分は「何を大論点 (最重要課題) とするか」「漏れなくダブりのない状態 (MECE) を作る」です。設定した最重要課題によって、導き出される結論が変わってくるので、何が一番の課題なのかをしっかりと考えた上でイシューツリーを作成しましょう。

課題をまとめる上で、まずはここが理解することが大切です。

最大目的(KGI)の策定

課題を整理することが出来たら最大目的(重要目標達成指標=KGI、以下KGI)を策定しましょう。KGIとは、簡単に言うと企画のゴールであり、KGIが達成される=企画が成功するということになります。

例えば課題が 「ECサイトの購買率が低い」 という場合、KGIは「CVR(Conversion Rate, コンバージョン率)の増加」と設定しても良いでしょう。KGIで設定した数値以上の効果が出れば、企画の効果が有ったということになります。

また、最大目的が達成されたかを測る指標としてKPI (=重要業績評価指標) というものがあります。

KGIを測る指標「KPI(重要業績評価指標)」

「KGI」が最大目的なのに対し、「KPI」は最大目的が達成されたかどうかを測るための指標となります。逆説的に言うと、KPIが達成されれば、KGIが達成できているということになります。

例えば、KGIが「CVRの増加」 ならば、KPIはそれが達成できたかを証明する指標なので、以下のようなKPIが望ましいかと思います。

  • 商品のカート追加率増加
  • カゴ落ち率低下
  • 商品詳細ページへの流入数増加

KPIを達成する為の施策

「KPI」が設定できたら、いよいよ施策を考える時間です。

斬新で目新しい企画を考えようとしている方も多いと思いますが、そういった新規性の強い企画は前例がないので、目指すべき数値を算出するのが難しいです。ディレクターとしては面白みにかけるとは思いますが、 「クライアントやエンドユーザーにとって有益な物を作る」 ということを数値を使って仮説立て、企画として立証することが出来るのもまたディレクターだけなのです。

勿論、ユニークなアイデアを欲している企業も沢山あり、そういったアイデアを出す日もいずれ来るかと思うので、その日のために成功体験を増やし、経験知として増やしていきましょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか?

今回の記事で紹介した 「ロジックツリー」 ですが、次回の記事で企画書のフレームワークを紹介する際に出てくる 「ピラミッドストラクチャー」 と非常に似ていますが役割が異なるので気をつけましょう。
それでは次回また!

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